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セシウムを防ぐ日常生活と「あまり原発に注意を向けず、身の回りに注意する時期です」武田邦彦先生

セシウムを防ぐ日常生活

(ちょっと、注意)

テレビなどでは盛んに東電の工程表のことで専門家が議論していますが、不必要とまでは言いませんが、「原発オタク」のようなもので、今、もっとも必要なこと・・・国民を被ばくから守る・・・という議論にならないように話題を避けているように感じられます.

大切なのは福島県などの小学校の校庭の放射線をテレビに出して、「児童は大丈夫か」と呼びかける方が重要です.

つまり、あまり原発に注意を向けず、身の回りに注意する時期です.

・・・・・・・・・

(本題)

福島原発が爆発して1ヶ月。身の回りに降ってきたのはヨウ素とセシウムです。ストロンチウムとプルトニウムは今回のように「ゆっくり(チェルノブイリに比べて)」と原発上空に上がる時にはあまり大気にはでなかったと考えられます。

(ストロンチウムの問題は海の底です)

ヨウ素は半減期が8日ですから、すでにかなり少なくなっています。最初の段階で子供が接していなければ被ばくを避ける事ができたという時期になりました。

(この意味で、放射性物質は「早め早めの情報」が大切です)

これからはセシウムです。連休明けの新生活に向けて、セシウム対策を取っておくべき時期です.簡単に言えば、連休後はセシウムの放射線を防いでおけば、被ばくしても大半の放射線の影響を受けることがなくなります.

・・・・・・・・・防ぎ方・・・・・・

1)  まずは身の回り、家の前の道路などを水で拭いたり、流したりする(セシウムそのものを除いておく)、

2)  体調を整え、運動をして、新陳代謝を盛んにする
(体のセシウムをカリウムに)、

3)  カリウムの多い食品を取る
(セシウムを追い出す)。

・・・・・・・・・

血圧が高い人は「カリウム」というものを聞いたことがあると思います.食塩を取り過ぎると高血圧になり、カリウムを多く含む食品を取ると血圧が下がるという話です.

セシウムというのはカリウムに似ています.原発からは粒で飛んできますが、今はやや水に溶けやすいものになっていると思います。

また、セシウムの放射線が半分になるのは30年ですが(物理学的半減期)、身の回りを洗ったり、庭の土の表面を薄く取ったり、できるだけこまめにすればそれだけ量が少なくなります.

このようにしてセシウムの半減期を実質的に減らすことができます。やり方次第ですが、市町村でもみんなが心を合わせて掃除をしたり土をのければ1年ぐらいで半分になることもできるでしょう。

私は「環境学的半減期」と言います。

それに加えて体内に入ったセシウムを「追い出す」こともできると言われています。学問的な証明は完全ではないのですが、セシウムが体の中に入ると100日ぐらいで排泄されます(体内半減期).

さらに早く排泄するためには、

1.  健康を保ち、やや室内で軽い運動をし、お風呂に入る
(極端にならないように)、

2.  新陳代謝を盛んにして、カリウムの代わりに「うっかり」体が取り込んだセシウムを入れ替える、

3.  (やや危険な方法だが)放射性物質を含んでいないセシウムが多い食品を食べる。

・・・・・・・・・

呼吸するときに口から入ったセシウムは、筋肉やその他の場所に行って、カリウムに置き換わります.そして、100日ぐらいで体内からでますが、その日にちを少なくすればそれだけ被ばくが減ります。

(また、新たにセシウムを取り込まない事も大切です)

そこで、まずは元気で代謝を盛んにして体のなかのセシウムを減らします。次に、豆類(大豆など。外国産が多く安全)や海草類(北海道、四国、九州、日本海側、外国産)などのカリウムの多い食品を食べると、置き換わります.

それから、これは私が考えた「やや危険な方法」ですが、ズバリ、セシウム(絶対に放射性物質を含まないセシウムだけということが判っている場合)を含む食材を取ることで、これは甲状腺ガンを防ぐために飲む安定ヨウ素剤と同じことです。

「セシウム錠剤」と言うのを服用する方法もあると思いますが、これはお医者さんのご指導がいります。

・・・・・・・・・

セシウム本来の半減期は30年ですが、このように被ばくしない工夫をしたときの半減期は、次の式で計算します.

1/(半減期)=1/(30年)+1/(環境半減期)+1/(体内半減期)

ややこしいので、例を計算してみます.

ケース1 室内を拭かず、玄関も拭かず、生活も気にしないばあい

     (物理30年、環境15年、体内3年(継続取り込み))
     体の半減期    2.3年

ケース2 室内、玄関などを洗い、生活も注意する場合
     (物理30年、環境1年、体内30日)
     体の半減期    28日

素晴らしい!! なにもしなければ2年あまり体の中にいて放射線を出し続けるセシウムを1ヶ月で綺麗にすることができると言うことになります.

現実は、計算通りに行かないかも知れません。まだセシウムが少しですが降ってきます.でも、身の回りを綺麗にしておいて、食材に注意すると、かなり下がっていることも確かです.

豆類も海藻も健康に良い食品ですから、無理なく体内のセシウムをカリウムに変えていくことができますし、血圧の高い人にはさらに素晴らしい!!

あまり極端にならないように徐々にやってください。

私は「これを飲めば大丈夫」というのはあまり当てにせず、

「水で洗う、できるだけ地面に近づかない、体の調子を整える、カリウムに富んだ食材を少し増やす」

というような普通の方法が好きです.

また、放射性物質の少ない北海道、関西、四国、九州などに旅行でもして(できる人ですが)、そこでしばらく体調を整え、カリウムに富んだ食材を選べば1ヶ月ぐらいで、これまでのダメージを取り返すこともできます。

さらに詳しい防御法など折を見て書いていきますが、「放射性物質を取り込んだから、もうダメだ」と考えずに積極的に防御しましょう.

【ニュースのコメント】

東電の社長が、国会で、

「津波の想定が甘かった。申し訳ない」

と発言しました。このことで多くの人は「東電はケシカラン!」言っていますが、私はまったく違います.

東電は私企業ですから、時に間違ったこと、悪いことをします。でも原子力は危険だからこそ、国に多くの役人がいて「監視」しているのです。

東電が「甘い津波予想」で原発の申請をしたとき、それをチェックするのは第一に保安院(経産省)、第二に安全委員会(内閣府)なのです。東電が甘いのは仕方が無いとしても、私たちの税金で監視している人は何もやっていないという事なのです。

そして、その人達(保安院)は謝りません。院長すら出てきません。チェックしなかったことを悪いとも思っていないのです.

私が東電に甘いとお叱りを受けています。

確かに東電も評判が悪いのですが、東電は私企業です。それに対してお役所は税金で私たちが監視を頼んでいるんです。だから、私はこの議論がハッキリしないとまた同じ事が起こるので、東電よりお役所を批判しています.

敵を誤ると、見当外れになりますので。

(平成23420日 午前10時 執筆)

武田邦彦

武田先生はセシウムを防ぐ日常生活には「カリウムの多い食品を取る」と書いてくださっています。

ですが腎臓病や透析をされている方は、カリウムの制限が必要になります。

カリウムの過剰摂取は避けなくてはなりません。

カリウムは摂取量と同じだけ尿中に排泄されるますが、腎臓の機能障害で尿の排泄が困難だと、高カリウム血症を起こす場合がありますから要注意です。

カリウムの多い食品と、食品のカリウムの含有量一覧表

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