桃色吐息

音楽にはいろんな思い出が封じ込めてあって、聞いたときに記憶が揺れてその頃が顔を出す。
それって素敵です。でもそれが恋人の話だったら、ちょっと過去に嫉妬したりもします。それでも音楽がそんなためにもあるのを嬉しく思います。
先日、徳永英明のヴォーカリスト3を借りてきました。
全曲聞いてみたのですが、私は職業のせいか、当時聞いていた頃の思い出というのが浮かびませんでした。本当か私、嘘だろう？と思いました。
この歌を聞いていた頃、誰と何をしていたかなんて、全然思い出しません。
私の脳みそはまったく調子よくて、すべての歌が私の現在形として処理されました。すっげーと、自分でも思いますが、そうだったんだもん！
唯一、桃色吐息だけ、思い出がありました。
桃色吐息の作詞者は、康珍化です。ある日、康珍化に電話をすると
「咲かせて咲かせて桃色吐息、どう？ここの部分だけできてるの～」
とメロディなしの電話の会話で聞きました。とにかく、私の思い出はこれです。康珍化が桃色吐息を書いている時に電話をした、です。
このとき、康さんとしばらく歌について話しました。
自分のことも話しました。もう若くないから～って、なんの話題だったか忘れてしまいましたけど話しました。
桃色吐息、懐かしい思い出を連れてきてくれる唯一の歌です。
でも2回目からは、やっぱり今の自分の歌として聞きます。
過去・・・思い出せません。完全燃焼系です。
昔は聞けば、思い出していたと思います。
私は今回、昔の歌を聞いてみて、こんな図々しい自分を発見しました。
今が幸せだからでしょうか。不幸せでしょうか。
これから、思い出す人になるかもしれないです。
桃色吐息、珠玉の名作です。