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あなたへの道

あなたへの道は遠くて、
私はたどり着けないのではないか、と思えてきます。
それは私が道で目印を見つけられないからなのだ、と思えてきます。
足りないものを探し続けているうちに、
あなたへはとても遠くなってしまいました。
あなたへの道を行くうちに、ゴミで汚れている川の前に出ました。
私は、この川を掃除する人々の中に加わわりました。
通り過ぎてしまうことも出来たのに・・・。
あなたに会いたくて、少し泣きました。
川の水が透明になってきたので、私はまた、歩き出しました。
いつでも、この川に戻ってくると誓って。
いつか、この川をあなたと眺めたいと願いながら。
あなたへの道を進むと、枯れそうな名もない花の横を通りました。
私は川まで戻って、水を汲むべきか、悩みました。
雨が降る気配もなく、花を見捨てることも出来ず、
空っぽになりかけていたミネラルウォーターの水筒を握り締め、
私は引き返したのです。
あなたへの道を、あなたに背中を向けて。
そのことをあなたは、知りもしないだろうと思いながら。
戻り道で私は、怪我をした野ネズミに会いました。
こいつを助ければ、また畑に悪さをするだろうと、
傷のわけを考えながら、私は迷いを振り払いました。
私の手当てで、はやく怪我がなおるようにと願いました。
時間をとった分、少し走りました。
息が苦しくなって、少し疲れて川に着きました。
水筒に水を汲むと、
ここの水が人の飲める水にまで回復していることに気づきました。
感謝をして、人々に別れを告げると、花を目指して、
あなたへの道を歩き出しました。
花は自分で歩くことが出来ないことを悔やみ、
それでも枯れずにいてくれました。
私は花に水をやりました。
生き返った花は、実を生らせ、種をつけ、
旅人を癒したいと言ってくれました。
元気になった花を見て安心した私は、
あなたへの道をみつめ、
今の喜びが100%ではないのを感じていました。
あなたがいないから。
私は何をしているのだろう。
少し、そんな気持ちになりながら、
自分を励ましました。これでいいのだと。
いつか、ここへ来て、
あなたとこの花を眺めたいと願いながら。
あなたへの道は遠くて、
私はたどり着けないのではないか、と思えてきます。
私のあなたへの愛は沢山だから、少しだけ、
他のもの達に分けてあげてもいいですよね。
あなたに会えたときに、少しも減っていないと思います。
あなたへの道は遠くて、
私の愛は重すぎるから、
少し軽くしたほうがいいのかもしれません。
少しでもはやく、たどり着くために。
会うのが怖くて、寄り道をしているんだろうと、
鳥がさえずりました。
そのままの君で大丈夫だからと、風が背中を押しました。
あなたへの道は遠いけど、私たちが求め合っていれば、
必ず出会えると信じています。

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