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どうしても聴きたかったカセットテープ

早めに帰ってきたので、カセットテープの片づけをした。
今の時代では、ほとんど活躍しなくなったこのカセットテープが、
私の仕事場には、1000個以上ある。作曲家のデモテープや、
レコーディングの途中のや、楽器の音だけのや歌が入ったのや、
編集前のや、そんなテープたちだ。
音楽カレッジで作詞を教えていたときに、
資料にしたものとかも、出てきた。
洋楽とか、仕事に関係ない歌手のとかも、出てきた。
減らしたりしたけど、でもこれ以上は、
思い入れや思い出があって、捨てられなくて、
一緒に引っ越してきたの。そして、地下の倉庫にも、
カセットテープが詰まっているダンボールがある。
うん、ある意味、お宝テープかも・・・。でも、ないかな。
私の個人的な思い入ればかりだからね。
そのなかで、すごいのが出てきたから、今聞いてしまっているのは・・・。
どうしようかな、書こうかな、やめようかな・・・。
「研ナオコベスト」これ、さぁ、成田空港で、買ったの。
なんだか、どうしても聞きたくなった曲があって。
空港で、アシスタントに、どうしても聞きたいと、
馬鹿を言ったのを、思い出した。 20代の真ん中頃だったかな。
ニューカレドニアに、仕事で行くところだった。
恋の悩みではなくて、体とかそういうレベルの、なんだか、
すごく悩み多き乙女・・・だった頃でして。すいません、
私も乙女だった頃が、あったんですよ。
で、この馬鹿な乙女は、この歌を聞かないと、
ニューカレドニアには、行かれないとか、言い出したの。
アシスタントは、走りました。あわてただろうねー。
許瑛子の馬鹿やろうー、とか思っただろうね。
いや、彼女は思わなかったな。
・・・来週、飲むから、聞いてみよっと。
あ、今♪「かもめはかもめ♪」これだったかなぁ?
聴きたかったのってー。違うような・・・。
「あばよ♪」かなー「わかれうた♪」かなー?
これ以外だったかもなー。
「強がりはよせよ」だったかも。
とにかく、中島みゆきを聴きたかったんだというのは、覚えているの。
ま、暇な人は、研ナオコベスト、検索して、
中島みゆきの曲、チェックしてみて。
深い意味は、ありません。
許の単なる昔の趣味です。話、思いっきり、わき道、行きました。
すみません。で、なんでしたっけ?
馬鹿な乙女のために、アシスタントが空港中を走ったんでしたね。
私なら、走らない。
もう、許はニューカレドニア行かなくていいよー!とか、思うだろうな。
でも、彼女は仕事のためなら、台風の日でも、
ずぶぬれで町中を走るような子だったの。
だから、今は自力で買ったポルシェの次の二台目のベンツに乗っているよ。勝ち組ってことば、イヤだけど、彼女は勝ち組だね。
それでね、「許さん、ありました。中島みゆきはなかったけど、
中島みゆきを歌った研ナオコが・・・」
そう言って、走ってきたの、アシスタント。
そうそう、それでいいの。
「研ナオコ、中島みゆきを歌う」だったから。
今、思ったんだけど、研ナオコが聴きたいと、言うべきだったのかも。
ま、とにかく、私はカセットテープを、ゲットしたんですね。
そして、ニューカレドニアへ。 で、久しぶりに聴いたわけ。
聴けるのが、すごいよね。
作詞家になる前の雑誌を作っていた頃の話だからね。
20年以上前のカセットテープですよ。
そして、ニューカレドニアの浜辺、思い出した。
あの時の気持ちの、もやもや。
んじゃ、ウォーミング・アップできたから、詩ー書くわ。
って、そうじゃないだろー!
ニューカレドニアで、仕事仲間に呼び止められた。
「どうしたの?なんか、あった?朝、すごく早く砂浜、歩いていたよね?
ホテルの窓から見えて、どうしたのかなーと、思ったよ」
私は、何も話さなかった。東京に帰ってきてから、しばらくして、話した。
思っていることは、すぐに口にして、文字にして、出してしまったほうが、
ラクになれるのにね。
でも、馬鹿な乙女にも、仕事は大事だったんだ。
魂をこめて作っている人の音楽は、誰かを癒したり、
救ったりするってことを、私は今でも信じている。
笑ってもいいよ。あなたの仕事、楽しみに見つめている。

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